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D&DEPARTMENT OSAKA

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僕は2002年から今日までCasebyCaseとして、または個人として、D&DEPARTMENT*さんのお仕事を色々とお手伝いしてきました。その中で最も身近な存在である大阪店さんが2017年5月7日をもって一時閉店という事になり、ついついこれまでの写真を振り返ってしまい、15年間の思い出が一気に頭の中を駆け巡ります。

D&DEPARTMENTさんとお仕事を共にするという事はとても光栄ですし、学ぶことも本当にたくさんあります。その反面、それが大きな金銭的利益をもたらすかと言えば、答えはノーです。当然の事ながら、全ての事に対するこだわりがとても強いので、一つの案件に対して拘束される時間はとても長いです。99%まで煮詰まり、あと1%という状態で白紙に戻るという事もザラです。今ではすっかり慣れましたが 笑。また僕のお店に対する思い入れも強いので、どうしても利益度外視になりがちでした。

僕がそれでもD&DEPARTMENTさんの仕事を、時には手弁当でお受けしていた理由はとてもシンプルで、「このお店は守らなければいけない存在」という事なんです。元々はナガオカケンメイさんのデザイン活動という形態でこの世に現れ、使い古された道具を廃棄処分される寸前で助け出し、とても丁寧にリペアをして、新たな命を与え店頭に並べる。それも闇雲に綺麗にするという訳では無く、シールなどの残しておくべき痕跡はそのままにし、汚れは「使用感」と表現し、想像も付かないような用途が与えられ、いつも目を楽しませてくれました。仕事として何かを作り出している僕には、それらをきちんと最後まで面倒をみているこのお店は、本当に大切な存在だと思ったのです。

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3Fにあるダイニングは単に食事が提供される場所では無く、D&DEPARTMENT OSAKAという存在を存分に楽しめる場所です。僕は大阪にお店が出来た時から通っていますので、結果的に歴代のスタッフさんの成長を見てきました(ちょっとえらそう 笑)。その時々でスタッフさんのスタイルは異なりますが、常に新たな段階に挑戦されているその姿から、いつも多くのことを学びました。お店に到着し、3Fに向かう階段を上りきった時に現れるこの風景には、何度行っても息をのみます。建物の中に入って行って行くはずなのに、建物という箱から解放される不思議な感覚です。

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僕は窓際のこの席がお気に入りで、ここが空いていたらいつも座ります。自分で勝手に「マキ卓」と呼んでいます。外からの光が入ってとても気持ちが良くて、ダイニング全体を見渡せるし、向かい備わっているvitsoe*の棚やBang&Olufsen*(ナガオカさんの私物)のオーディオを眺めながらゆっくりと流れる時間を過ごせます。ちなみに初期は写真の上部のホルダーにプロジェクターが取り付けられており、drawingandmanual*さんの作った映像が壁面に投影されていました。ダイニングのコンセプトは「ホテルのラウンジで過ごしているようなゆったりとした空間」なので、席間はとても広いです。こんな贅沢な空間でコーヒーがリフィルフリーなんて、そんな店他に知りませんよ。

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テーブルではいつも、料理が運ばれると、伝票代わりにPlaymobile*という人形を渡されます。この人形にはそれぞれ名前が付いていて、会計の時にレジまで持って行きます。以前はお店で販売されていたのを覚えています。こんな素敵なアイディアを誰が思いつかれたのでしょう?ゆっくり過ごしている時はいつも童心に返って、この人形とこんな事をして遊んでいました。でも、とても可愛らしいので、ついつい悪気無くお子さんが持って帰ってしまったりするので、頻繁にメンバーチェンジしています。でも両手首が無くなっても頑張っている子がいました。今はどうしているのだろう?

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以前は隣(西側)にパーキングが建っており、それが取り壊された後、数年の間だけ西側の窓から光が差し込む時期がありました。今はマンションが建ってしまい楽しめませんが、夕方から夜にかけて店内に降り注ぐ光の変化には、本当に息を飲みました。ダイニングで使われているソファーはカリモク60*というブランドの製品で、D&DEPARTMENTさんが立ち上げた60VISION*というブランドの基礎になった存在です。ナガオカさんが、カリモクが作っていたこのソファーに惚れ込み、東京店に設置されたのが始まりです。たまにマルニ60*のソファーが置かれたりして、座り心地を比べられるのがとても楽しかったです。ちなみにカリモク60スタイルブック*という本が発売されており、カリモク60の事を深く知る事ができます。ただ、その中に「ツルモク独身寮」というスピリッツで連載されていた漫画の一コマがあるのですが、誰があれを挿入したのか?いまでも気になっています 笑

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左の駐車場が取り払われて、右に趣のある梱包資材屋さんがあった頃の大阪店。大規模修繕で外壁を塗り直す前の姿です。ツートンカラーだったんですね。スーパー玉出ができるまでは、この通りはとても落ち着きのある通りでした。この頃がちょっと懐かしかったりします。ちなみに右の建物が大阪店さんと妙に相性が良くて大好きだったのですが、今は妙なビルが建ってしまいました。ほんの一時期だけ、両サイドが更地になってしまい、D&Dさんの建物の全貌が見える時期があったんですが、あの時の建物の存在感は素晴らしかったです。

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初代の看板のデザインです。最初の数年は今と違い、ダイニングはいつ行っても空いていて、自分の好きなように過ごす事ができました  笑。ちなみにその時期のショップは、今みたいに定番商品が時に存在せず、基本的にリペアされたUSED商品が中心で、今とは全然異なった雰囲気が楽しめました。その頃を懐かしがる人も多いですが、僕は常に変化し続けるD&Dさんが好きです。夜になると看板に灯がともるのですが、ダイニングへ繋がる横の階段は薄暗くて上がって良いものか分からず、戸惑っているお客さんの姿をしょっちゅう見かけました。その度に「ここから上がれますよ」と言って、先にすすっと階段を上るのは、ちょっと特別な場所を知っているみたいで、なんか妙にうれしかったです。ちなみにこの時はこの看板とこんなに長い付き合いになるなんて、思いもしませんでした。

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どうしても雨ざらしになる運命にある外看板。元々がUSEDですので、コードの断線やプラグの接触不良など様々な不具合に見舞われました。その場で修理出来る場合は修理しましたが、その場で難しい場合には、度々僕の作業場にピットインしていました。水曜日がお休みですので、火曜日の営業終了後(24:00頃)に引き取って、木曜日の営業開始前(10:00頃)に届けるという事が何回あっただろう?でも自分の仕事場にD&Dさんの看板がやってくるというのは、ちょっと特別な気分でうれしかったです。何よりも夜に自分がダイニングに食事に行った時、看板の灯が消えているというのがとても寂しく感じたので、いつも「大丈夫かな?」と気になっていました。

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今の看板のデザインです。可愛らしいですね。この看板にはとても愛着があったので、どうしてもそのまま使い続けて欲しかったんです。一度トランスが壊れてしまうと言う致命的な事がありました。仕方が無いので、中の看板灯を現行のものに置き換えようとしたのですが、現行の製品は両端のソケットの出っ張りが大きくて、中に収まりません。仕方が無いので、トランスと点灯管の部分を切り取って移植しました。次に取り替えるとしたら両端のソケットなのですが、30年位前の看板を見つけて分解して、部品取りをしなければいけないかもしれません。中は僕が相当カスタマイズしております。おかげで、この看板に何か異常があった場合は、見ただけで直ぐに原因がわかるようになりました 笑。

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今の店長(野口さん)から、壁面にハワイレコード*さんがセレクトしたLPを飾る棚を取り付けたい、というご相談を受けました。それまでに色々とD&Dさんの什器を作ったことはあるものの、これはとても難題でした。と言うのは、基本的にそれまでは東京のデザインチーフと必ずやり取りをしていましたので、大阪店さんと独自で動くというのは前代未聞だったのです。でも野口さんの意思は強かったので、色々と頭を悩ませた結果、普段使っておられる工業用シェルフ*の柱部材だけで作るという方法で、なんとか形にする事ができました。飾り付けが終わった後の感動はしっかりと覚えています。今でも2Fに行くとこの棚の前で立ち止まってしまいます。ちなみに東京のデザインチーフには未だに怖くて感想を聞けません…

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僕は陳列ケースなどの業務用品販売を生業にしている家庭で育ったので、スチールシェルフなどの業務用品を日常生活で普通に使っていました。ですので、初めて大阪店さんの扉をくぐったとき、とても懐かしい感じがしたのを覚えています。その時に自分が大好きなSingle8(シングルエイト)*というケースがあるのですが、このお店で取り扱って欲しいと思い、ナガオカさんにメールをし、とても気に入って下さったのは本当にうれしかったです。そんな思い出深いSingle8の展示販売会を行わないかと、野口店長から話を頂いた時は、とても光栄でした。そしてついに、2016年10月27日〜11月08日まで、1Fで「Single8(シングルエイト)展*」を開催して頂く事になりました。短い期間でしたが、ほぼ毎日店頭に立って、お客さまにケースの紹介をするのはとても幸せな時間でした。僕はいつも頭の片隅で「D&Dさんで働けたら幸せだなあ…」と思っていたので、夢が叶ったようでした。

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そんな時間が永遠に続くものだと勝手に思っていましたので、この度の告知は本当にビックリしました。でもD&DEPARTMENTさんが決められた事ですし、あくまで一時閉店ですので、最後の瞬間まで今までと変わらず一人のお客さんとして、できる限り訪れたいと思っています。いつも僕が話のネタにしている事ですが、少なくとも1ヶ月に8〜10回はダイニングに行きます。と言う事は単純に考えて、年間だと120回になりますので、10年でも1,200回訪れている事になります。それを15年で計算すると、、大変な数字になっちゃいますね 笑。

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ちなみにCasebyCaseのオフィスは、長年の間のお付き合いで、D&Dさんで購入したものであふれかえっています。写真の手前にはホウトク60*のテーブルと椅子があったりしますし、この大きなデスクはイトーキ60*の営業マンデスク(USED)で大阪店さんの店頭で使われていたものです。壁面のvitsoeも大阪店さんから買い受けました。D&DEPARTMENTさんに出会っていなかったら、自分の大好きなこの空間は絶対に存在しなかったことを思えば、人生って本当に出会いが大切だと思います。

つい先日は静岡店さんのレイアウト変更のお手伝いをする事ができました。今はd47 MUSEUMで開催されている「47こども道具展*」の案内板のご依頼を頂いていますし、富山店さんのテラス席のPOPや、d47 MUSEUMのレイアウト変更のご相談も頂いています。そうそう、先日は表参道のGOOD DESIGN SHOP*で取り扱って頂いているSingle8が売れたりもしました。

個人的には悲しくても、会社としては悲しんでいる暇はありません。これからも色々とお役に立てる様に頑張らねば!!