かれこれ15年程前に作った1/43モデルカー用の展示台です。この頃は1/43モデルという存在をテーマにどんな表現ができるか？色々と考えてました。今から見ると、詰め込み過ぎの印象は否めませんが、まあそこは若気の至りです。上に乗っているクルマは、McLarenMercedes MP4_15というマシンです。2000年のベルギーグランプリで優勝しています。
基本的な構造ですが、下にアクリルのベースがあり、10mmリフトアップして中をくり抜いた2mmのステンレス板が固定されています。この頃は小ロットでレーザーを加工してもらえる業者さんが少なくて、探すのに苦労しました。透明のアクリルは8mmなのですが、下の2mmはステンレスの中にはまっています。と言う事は、アクリルの下回りを切削しているんです。
アクリルの表面にはレーザーで刻印をしています。最初は車種やドライバーが分かればいいかな？と思ってましたけど、せっかくだからスペックも記載したいと思って、模型を置くと隠れてしまうのですが、彫っちゃいました。でも、ここに文字レイヤーが一層入っているのと、入っていないのとは、立体感が全然違うんです。彫刻無しだと立体感がでません。ここは本当に勉強になりました。
じつは、たまたまこのケースを目にして下さったお客さまから、国産のとある名車を、特別な形で復刻生産したいという話を下さりました。今はメーカーさんとの打ち合わせの大詰めです。恐らく市販での最終形状はこれとは異なったものに落ち着くと思いますが、交渉の先陣に立てるのはうれしいことです。上の図面は15年ぶりに再び描いた新図面です。15年前には描けなかった事が、経験に裏打ちされて描かれています。
