知人に誘われ大阪の南部にあるタナカファーム*さんという農園にお邪魔してきました。鶏を平飼いにして卵を作っておられます。
作っていると書いてしまいましたが、恐らくその表現はふさわしくありません。この卵は田中さんの愛情によって鶏達が生活をし、自然界の営みである交尾によってこの世に生まれてきた慈しむべき存在だからです。決してポコポコと生産される物ではありません。
鶏たちが食べているもの(一部)ですが、
おから(京都府)
玄米(地元)
有機無農薬大豆(石川県)
小麦(石川県)
醤油かす(香川県)
真珠貝(愛媛県)
わかめ(鳴門)
という風に、全て生産者の顔が見えるものばかりです。それらの飼料を農園に備蓄されています。温度管理にはコストがかかりますので、もちろんそれらは卵の価格に反映されます。でもそれは安心して子供たちが食べられる卵を作るという田中さんの願いを実現するには欠かせないのです。飼料の配合は大変手間がかかる仕事ですが、ご本人はそれを一切手間と考えておられません。ご自分であちらこちらから集められた機材を組み合わせて、最適な環境を作り上げ、とても楽しんで仕事をされています。
ファームでは鶏がとてものびのびと生活しており、鶏舎もとても清潔で嫌な臭いが一切しません。鶏の糞を見せて下さいましたが、糞自体が臭いがしないのです。これには本当に驚きました。鶏の体内に蓄積された物質は全て卵に表れます。この卵を食べたときの第一印象は「雑味がしない」でした。嫌な臭いが一切無いのです。その理由が鶏舎を訪れてよく理解できました。
顔の見える農業や産業という言葉が使われ出して、もう随分の月日が流れていますが、単に「顔が見えているだけ」という場合が多いのも事実です。本当にきちんとしたものを作るにはどのような心構えが必要か?という事を考えさせられた貴重な一日でした。