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七十二候 現る

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平成30年10月にオープンした「久保修 切り絵ミュージアム」に設置されたケース。零和元年7月2日、ついに10mの大作「七十二候」が展示されました。構想より5年という歳月をかけ、この日を迎えました。作品の構想が浮かび製作が進みつつある時、「どの様に展示すればよいか?」という問題に直面され、ご相談を頂きました。本当に偶然のご縁でケースをお作りする機会を頂けた事に対し感謝の気持ちで一杯です。(「10mへの道のり」)

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この作品を展示する為にご依頼を頂いたケースですが、しばらくは作品の完成を待たねばならず、その間は製作に使われている道具や工程を知る事のできる品々、様々な作品の展示が行われておりました。それらはもちろん素晴らしいものでしたが、本来展示されるべき作品が収まっていないのは、やはり待ち遠しい気持ちを禁じ得ません。

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そしていよいよ「七十二候」が搬入される日がやってきました。今年は梅雨の始まりが遅く、7月の大阪の天気予報はひたすら雨。作品は紙である為に湿気は大敵。気をもみながら搬入の為にケースのガラスを外し、準備を整えておりました。まずは天板ガラスの上に作品を広げ、先生による作品の最終チェック。10mという長さを改めて感じます。この日の為に備え、設計上は作品を無事に搬入出来るように細工を施してましたが、それらがきちんと機能するか?心配でもありました。

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チェックが終わった作品を再度ロール状に丸めて、取り外せるようにしていたケース側面から慎重に内部へ挿入します。何か手伝える事があればと思い心構えをしておりましたが、いざ作品を目の前にすると、手を触れるのが恐ろしくて、プロの美術品輸送の方々にお任せしておりました。さすがはプロです。見事なかけ声と連携の元、1回に数センチのペースで少しずつ少しずつ作品が挿入されていきます。

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ついに展示完了。朝10時から作業を開始し、壁面の展示入れ替えも含め、作業が完了した頃には夕方になっていました。自分の頭の中でそれなりに作品が展示された姿を想像したりしておりましたが、その姿を目の前にした時は、ただただ感動すると同時にこのプロジェクトに関わる事ができて本当に良かったと思いました。お話を頂いた時は、「作れると思います」とお答えしたものの、途中で若干不安になり、最終的には「なんとか作るしかない」と覚悟を決め、膨大な量の図面と格闘しながら無事に形にする事ができました。この場をお借りして、ご協力を下さった皆さまにお礼を申し上げます。

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二十四節気をさらに3つの季節に分けたものが七十二候で、1年365日を72で割ると、なんと5日毎に季節が移り変わる事になります。それだけの季節に対する感性を有していた先人に敬意を表しますが、それを10mの切り絵で表現された久保先生に関しては、心より畏敬の念を抱きます。当のご本人は「いや〜、手がパンパンになっちゃったよ」と飄々とされているのですが。

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一つのフレームが二十四節気にあたり、その中でさらに3つの季節に分かれます。伝統的なモチーフを用いながらも遊び心がたくさん盛り込まれているので、見る度に新しい発見がたくさんあります。久保先生は常々、季節感や旬というものが忘れ去られつつある現代に危機感を持っておられ、古来より日本人が持っていた季節に対する感覚を取り戻すきっかけになれば、という思いを語っておられます。とても画像ではその魅力をお伝えする事ができませんので、是非とも実際にご覧頂ければうれしく思います。

久保修 切り絵ミュージアム
住所:大阪府豊中市岡上の町1丁目4番20号  ゆうみビル2階
阪急豊中駅  南改札口より徒歩7分
開館時間:11:00〜16:00(入館は15:30まで)
HP:http://www.suminoisamu-zaidan.com/museum/

久保修オフィシャルサイト
切り絵作家 久保修氏のオフィシャルサイトです。
http://www.shu-kubo.com